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社内ドキュメントにNotionを導入して感じた事

背景

 弊社ギルドではメンバーと案件の規模拡大に従い、 知見の蓄積や共有における課題が顕在化していました。 そのため従来のGoogle Docによる知見共有から、 より効果的な情報整理を行う方法としてNotionの導入を決定いたしました。
 今回はNotion導入して見えてきたメリット・デメリットをまとめていきたいと思います。 また使う中で感じた要望についてもまとめていこうと思います。

概要

目的

 今回情報整理を行うことになった目的としては、 大きく「技術や手順と言った知見の共有」と「ギルド管理に必要な情報の蓄積」の2つがあります。
 1つ目の「技術や手順と言った知見の共有」は以下のような技術や知見を残し、 未来のメンバーがよりスムーズにオンボーディングできることを目的としています。

  • BQにおけるテーブル作成時の注意点といった技術知見
  • e-Govの利用方法といった経理関連手順書
  • SQL実行時のエラー内容別トラブルシューティングといったQA

「知見の共有」はメンバー育成に関わる部分であり、 中長期的にギルド価値の中枢を担う重要な機能であると考えています。

 2つめの「ギルド管理に必要な情報の蓄積」は以下のような運営上必要な情報を残し、 ギルド運営がよりスムーズに行えることを目的としています。

  • 36協定の概要や内容といったバックオフィスで必要となる経理関連の知見
  • 議事録といった各プロジェクトに紐づく個別の情報
  • メンバーリストや権限設計といったギルド自体の情報

 どちらも共通しているのは属人化排除と効率化を目指している点です。

技術選定

 今回情報整理を行うにあたって以下のツールから検討を行いました。 Notion利用開始前に整理したメリット・デメリットを記載しています。

ツール名メリットデメリット
NotionDBチックにデータを管理できる模様
一般公開が簡単にできる
最近流行ってそう
JIRAなどとの連携ができなさそう
利用経験がない
ConfluenceJIRAとの連携が容易
櫻井利用経験が長く使い方がわかる
検索機能が微妙
Google Doc他のGoogle製品との連携が容易(カレンダーなど)
GSuiteの料金で利用可能
外部との共有も容易
目次(サイドバー)などがない
Kibela検索性能が優れている利用経験がほぼない

 最終的に「タスク・工数管理で利用しているJIRAと連携できるConfluence」か「DBチックに情報整理できるNotion」かで迷い、 技術検証も兼ねてNotionを利用することに決めました。

ユースケースと権限設計

 ディレクトリ設計は「権限設計のしやすさ」を中心に考え以下の様な設計にしました。弊社では関わる方の種類も多いため、可能な限り1階層目の権限設定だけで管理が行えるようにしています。
(縦軸:メンバー分類、横軸:各ディレクトリ)

メンバー分類詳細

  • 経営:弊社経営メンバー
  • 社員:弊社社員
  • バックオフィス:経理等を担当して下さる方々
  • ギルドメンバー(案件join≒NDA締結後):案件joinをしてNDA締結をしてくださった方々
  • ギルドメンバー:NDAをまだ締結していないメンバーの方々
  • コミュニティーメンバー:ギルドメンバーとしてではないが、アドバイスを下さったりお世話になっている方々
  • 外部(クライアントの方々):クライアントの方々(基本的にクライアント様側の情報整理方法に合わせています)
  • 外部(その他):上記に分類されない方々

ディレクトリ分類詳細

  • 経営:経営に必要な情報
  • バックオフィス:バックオフィス業務に必要な情報
  • 社員:社員向けの情報
  • メンバー:メンバーに向けた知見や情報(情報の大部分がここに集約されています)
  • プロジェクト:各プロジェクトに関する情報
  • sandbox:色々と試す用の場所

導入結果

メリット

 実際に導入した結果感じたメリットを箇条書きでまとめています。

DBの形で情報管理が可能

  • 上の「ユースケースと権限設計」に載せた画像のように、DB荷データを貯める形で情報整理ができる
  • 従来のテーブルと違って各レコードがページになっており、各列がページのプロパティとなっている
    • 各列のプロパティは「テキスト」「数値」「選択肢」「日付」…といった様々なデータ形式を取ることができる
    • 各列ごとにフィルターや並べ替えやグルーピングができ、テーブルで見せるプロパティの選択もできる
    • 上記画像のような「テーブル」形式以外に、「ボード」「ギャラリー」…といった様々な見せ方が可能
  • DBに入れた内容を別のページから利用可能
  • 各レコードがページのため、ページ内に詳細を記載することもできる

デザインの作りやすさ

  • ドラッグ&ドロップで要素を移したり2列にすることができ、簡単に見やすいページが作れる
  • 上記DBの見せ方やドキュメントの見せ方の種類が多い
  • 特にDBのギャラリーは見た目がかっこいい

権限管理しやすい

  • Guestアカウントがあり、状況に応じて外部の人に閲覧権限を付与できます
  • 逆引き的に各ゲストメンバーの閲覧可能ページが確認できるため、過剰な権限付与等を確認できます

デメリット

 実際に導入した結果感じたデメリットを箇条書きでまとめています。

共有時にNotionアカウントが必要

  • Guestアカウント利用時に、相手側にNotionのアカウントを作って貰う必要があります
    • 一度の共有だと利用率が高いGoogleDocの方が共有しやすいケースがあります

一部権限のみがある場合の見え方

  • 権限付与ページによっては左側の目次が出ず一覧的に見えない
    • どのページに権限付与されたかわかりにくい
  • 閲覧不可ページのDBを利用したテーブルは、閲覧可能なページにおいても見えないと言った細かい挙動が難しい
  • テーブルビューにおいて各権限が、フィルターや並び替えを変えることができるのかがわかりにくい

可視化機能がない

  • DBで情報管理はできるが、それを棒グラフや線グラフで可視化する機能はついていない
  • 可視化する場合は別ツールでグラフを作り、画像として添付が必要

タスク管理としての用途

 また今回の目的と違いNotionをJIRAのようなタスク管理に使うケースも散見されたため、 タスク管理ツールとして見た際に感じた内容も軽く記載しようと思います。

  • 先述したDB機能の柔軟なプロパティでボードやロードマップを組みやすい
    • 特に一覧化・ボード・ロードマップを直感的に作れるのはかなりすごい
  • 一方タスクの依存関係を作ることはできず、巨大なWBSの作成等にはおそらく向いていない
  • 列ごとの集計機能はあるものの、稼働時間の集計や可視化は難しいと思われる

感想

 「人気が出てるらしい!」という情報から技術検証のつもりで開始しましたが、 気づけば約一ヶ月で感想記事を書くほどハマっていました。。。笑  使いやすさの他にオンボーディング施策も面白く、 ゲームの称号獲得のような感覚でクレジットポイントがもらえるようになっています。 かなり好きなプロダクトなので今後のアップデートも期待したいです。
 また大きな特徴のひとつであるページ公開機能をまだ使えていないので、 今後どんどん公開機能を使って情報公開も行っていこうと思います。

要望をあげるとすれば

 最後に今後のプロダクト発展を願って、いくつか追加であれば嬉しい機能も載せておこうと思います。

  • DBの列単位の権限やフィルター等の変更を制限する権限がほしい
    • メンバーリストに様々な情報をまとめ、名前だけメンバーに一覧で公開といったことをDBをせず行いたい
  • グラフ機能を追加してほしい
  • salckに記載した際にプレビューを行いたい

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