サービス大型刷新と分析環境の新規構築を両立させる取り組み
フード関連業に特化した有料職業紹介事業などを提供するクックビズ株式会社様は、15周年を迎え、新コーポレートアイデンティティを制定など大きな変革を行っていました。本体機能とともに力をいれたのが分析環境の刷新であり、今後会社をデータから支える分析環境づくりの方法を模索されており、弊社ではデータ分析環境構築のお手伝いをさせていただきました。
今回、弊社はこれらの課題に対してSinkCapitalのサポートを依頼してくださったデータチームの上岡さん・角田さん・宮川さんに導入結果や使用感について伺いました。
今回インタビューした方
上岡 由季さん(上記写真、真ん中)
- チーム:データチーム
- 役割:データ分析基盤、BIツールのマネジメントおよびSalesForceの保守・運用
- 役職:データチームのリーダー
角田 一平さん(上記写真、右側)
- チーム:開発・データ基盤チーム
- 役割:開発
- 役職:メンバー
宮川 恵梨加さん(上記写真、左側)
- チーム:データチーム
- 役割:各種データの集計やBIツール化、分析
- 役職:メンバー
メンバー・知見共に不足した状態での分析環境構築PRJ
データチームの方々は、TreasureDataを運用することで多くのデータ知見を持っていらっしゃいました。しかしながら、大規模なサービス側のリニューアルに取り組む中で、データチームの方々は工数不足に陥っていました。また、初めてのBigQueryへの移行というハードルもあったため、我々は彼らに対してBigQueryの知見を提供することで、少ない工数で分析基盤の移行を進めることを支援しました。
— 設計を行う上でSinkCapitalに期待していた内容・要件を教えて下さい
上岡さん:TreasureDataからBigQueryへのデータ分析基盤移行プロジェクトが始まったもののメンバーがかなり不足しており、かつ知見があまり無かったので効率よくプロジェクトが進められるようアドバイスいただけることを期待していました。
角田さん:データベースからBigQueryへのデータ移行が初めての試みだったので、設定方法の基礎部分の構築や、知見の共有を期待していました。
宮川さん:データベース移行の知見をお借りすること、移行後スムーズな運用のためのアドバイスをいただけることを期待していました。
弊社は上記のようなご要望をカジュアルにご相談いただき、分析基盤運用方針書の作成とデータパイプラインやマート作成システムの設計・開発を支援させていただくこととなりました。ヒヤリングと過去知見から要件の洗い出しを行い、「人的金銭的コスト・将来の拡張性・通知機能など運用に不可欠な要件」から複数案ご提供させていただき、embulkを用いたデータ連携基盤の構築をまず試すことになりました。その際特に「モジュール化・マネージドサービス・拡張性」に注意をはらいつつ開発を進めました。
- モジュール化(terraform)
- システムの開発時にサービス側への影響を最小限に抑えることで、スムーズな開発を実現しました。
- マネージドサービス(ECS on Fargate)
- 管理・運用工数を最小限に抑え、システムの安定稼働に専念することができます。
- 拡張性
- パラメータ化によって、将来的なシステム拡張にも柔軟に対応することが可能になりました。
短期間でのテストと結果を受けての方向転換
— 出来上がった設計は初期の期待値を満たせていたかを教えてください
上岡さん:最初に分析基盤のあり方、道筋を示してくれる資料を提供いただいたので、方針をすぐ組み立てることができました。今も重宝しています
角田さん:基礎部分をある程度構築していただいたので、テスト実施を当初の見込みよりも早く実施することができました。テストの結果を受けて、Embulkの利用は見送る予定ですが、共有いただいたtroccoの導入検討に素早く移行することができました。
宮川さん:結果ご提案いただいていたtoroccoを利用することになり、運用も当初の想定よりスムーズに進められそうです。
工数・期日も少ないなか早期にembulkのテストを行い、その結果をうけてtroccoへの方針転換ができた点は弊社としてもとてもうれしく感じています。
— 出来上がった設計は初期の期待値を満たせていたかを教えてください
上岡さん:データマートの作成の流れやslackへのエラー通知など運用部分を詳細に設計いただいたので、急な方針変換でtroccoを使うことになっても応用が効きました
角田さん:費用対効果について、初期段階にお話ししていただいたことで、リスクの把握やセカンドオピニオンの準備ができました。
宮川さん:各資料(分析基盤運用方針など)をいただいたことです。私自身恥ずかしながらデータ基盤部分は全くの素人なのですが、MTG時以外にも自身で後から内容を追える環境でしたので、非常に助かりました。
初期の設計部分において詳細なヒアリングにお付き合いいただき、設計部分を重点的に行うことができたことで、上記のような感想をいただくことができましたと感じています。
カジュアルな相談からのプロジェクト推進
弊社の活動の中で印象に残っている部分についてお聞きしました。
— 設計・開発内容やSinkCapital(のメンバー)の動きで、一番助かったことや、印象に残っていることを教えてください
上岡さん:データも散らかっており方針が定まらない中であったのに、臨機応変に相談に乗っていただけるのがすごくありがたかったです。
角田さん:相談に対して親身になって聞いていただいたので、こちらも包み隠さず現状の課題を相談することができました。
宮川さん:弊社が抱えている各課題に対してひとつひとつ丁寧かつ親身に対応していただき、非常にありがたく感じました。
「依頼内容」だけではなく「相談に乗る」という姿勢は弊社で大切にしており、相談の中には実際の依頼内容以上に優先度の高い要望が隠されている事も少なくないと考えています。
最後に
— 最後に一言何かあればください!
上岡さん:クックビズも過渡期で慌ただしく短い間でしたが、さらに基盤を固めていく際にはまたお手伝いしていただきたいです!ありがとうございました。
角田さん:短い期間でしたが、非常に多くの知見を共有いただき、楽しく取り組めました。ありがとうございました。
宮川さん:短い間でしたが、非常にお世話になりありがとうございました。またご一緒できる機会があれば、その際も是非よろしくお願いいたします。
クックビズ株式会社様の分析環境の新規構築において、私たちが支援した結果、どのような成果が得られたか、また使用感などのフィードバックをお聞きしました。私たちは、今回の支援期間だけでなく、中長期的な価値を提供することを常に心がけており、弊社が納品させていただいた分析基盤運用方針書が、「道筋を示してくれる資料」として今後もクックビズ様のビジネスに貢献できることを願っております。